国際結婚in上海

老舗 鉄人52号復活!

エアコン決死隊(1)

悲願だったエアコンの取り換えた。
かれこれ20年も経つ年代物だから、数年前から吹き出し口のルーバーが利かなかったり、外に排出されるべき湿気がポタポタ室内に滴ってきたりで、今年こそ買い換えようと思っていた。
上海では私が喋れないから、女房が面倒なこと一切をやらなければならないので、「まだ十分使えてるのになぜ買い換える」と、またしても先送りの態勢。

私なんか後何年生きられるかも分からない。
ましてや上海に来るのは今年が最後かも知れないのに、最後くらい快適に過ごしたい。
あの世に金を持って行かれる訳じゃなし、異常に暑い今年の夏をこんなやくざエアコンと暮らすんじゃ可哀想だろ。

そんな訳で一歩も引かぬ覚悟で掛け合ったら、奴さん、渋々重い腰を上げて買いに行ってくれた。
気に入らないことの多い中国だが、唯一感心するのは手早いこと。
ネットの買い物など発注したら翌日には届くし、弁当など1個でも即配達してくれる。
今回のエアコンも翌日配達、その次の日午前中に既存エアコン撤去、午後に新品取り付けと実にスピーディ。
日本だと取り付け日は1週間くらい先になるが、配達も撤去も取り付けも同じ人がやる。
人間が多いから細かく分業化しているのか、コストのことはあまり考えていないようだ。

当日午前中にはデカイ箱が2つ届いた。
段ボールの横書きにハイアールとある。昔は壊れ易いと評判が悪かったが、中国メーカーも世界シェア1位となったからには、きっとそれなりに品質も向上しただろう。
その晩、明日来る撤去業者から「朝7時頃行く」と電話があった。
一方的にウーもスーもなく言われて、女房も釣られてOKしてしまった。

「いくら何でもそりゃ早くないか、音も出るだろうし、近所から苦情が来るぞ」

女房は一瞬そこまでは気が付かなかったという顔をしたが、「大丈夫よ」の一言で片付けた。
日本のマンションじゃ、そんなこと無許可無通知でやろうものなら大変な騒ぎだが、中国はその辺大らかなので気が楽ではある。

翌朝、ホントに7時にやって来た。
夫婦者らしく阿吽の呼吸で手際よく準備が始まった。
5、6年前エアコンのガスを補充してもらった時と大きく変わったことは、室内を汚さないために履いてきたスニーカーの上からスッポリとビニールを被せたこと。よく刑事ドラマで鑑識が現場保全のために履くのと同じようなもの。
中国も段々と気を遣うようになってきた。
昔は裸足か汚れて穴が開いた靴下でペタペタ歩き回り、作業が終われば“立つ鳥大いに跡を濁して”帰っていった。
そのあとを毎度女房がブツブツ言いながらモップで全部拭いたものだった。
旦那が長い太めのロープの先端を体に巻き始める。
もう片方は玄関ドアを開け放して通路の突き当りにある太い排水パイプまで引っ張りって結んだようだ。
前回のガス補充業者は、外にある室外機まで下りる際、命綱の先端を、「ちょっと悪いけど持ってて」と私に渡して、度胸よく窓枠を伝いながら下りて行った。
ちょっと足を踏み外したら私一人の力じゃとても支えきれない。女房と2人で引っ張ったって恐らく無理だろう。
手が千切れるほどになったら、きっと離しちゃうだろうななんて思いながら、一応綱引きのような態勢を取ったことを思い出した。
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(命知らずのエアコン業者は昔と変わってなかった)

この日の撤去業者は中通路を隔てた太いパイプに結んであるから安心。
長~く張った命綱を頼りに恐る恐る窓下に出張った庇(ひさし)に下りた。
身動きも儘にならないところで、既存エアコンの錆び付いた取付けネジを火花を散らせながら切断している。
その様子を隣の窓から窺い、このブログのための写真を撮ろうとしたが、下を見ると15階は高すぎてフワッと吸い込まれうで目が眩んだので止めた。
434.jpg
(夫唱婦随、ピッタリ息の合った黄金コンビ)

日本だと撤去したエアコンの処分は有料だが、中国ではまだ利用価値があるのか、引き取り料として30元(480円)くれた。
この夫婦も地方からの出稼ぎ農民工なのだろうか。
上海の乱れ狂った開発もようやく落ち着き、雨後の筍のように建てた高層ビル群も飽和状態。
以前ほど仕事がなくなり、政府もは農民工へ徐々に圧力をかけて、郷里へ帰す方針でいる。
発展の坩堝の時は便利にこき使い、いらなくなればお払い箱のやり方はどの国も同じ。
エアコン撤去の技術を身に着け、しぶとく生き残っている彼らはまだ幸せな方なのだろうか。
上海戸籍を持つ者が地方出身者を見下すのは昔と変わらず、この先もしばらく安い賃金で使われるのだろう。それでも仕事もなく、現金収入もない田舎に引っ込んで、猫の額ほどの田畑を耕して生きるよりはましか。
何とか地を這ってでも金を稼ぎ、子供には良い教育を受けさせて、貧乏の連鎖を止めようとする親心。だが大学さえ出れば高給な職にありつける時代はとっく終わってしまった。
毎年新卒者だけで600万人を超える数は日本の10倍だ。
いくら政府が世界第2位の経済大国をぶち上げても、公務員や企業でそれほどの数を吸収しきれる筈がない。

夫婦はこれからまだ5か所も回らなければならないとかで、暗黙の了解のように掃除はせず、そそくさと引き上げていった。
次回は取り付けにやって来た若者2人の騒動をお伝えします。


   
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コメント


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久しぶりに・・・

久しぶりに「ランキングのポイントが3桁」になりましたね。
やはり、更新の頻度に比例するんですかね?
そうだとしたら、このランキングは「結構、まともな部類に入る」ということですね(笑)

Q太郎 | URL | 2017-08-05(Sat)16:45 [編集]


Re:久しぶりに・・・

Q太郎さんへ

おっしゃる通り、ポイントの上昇は更新の頻度に比例するようですね。
わかっちゃいるけど、最近とみに集中力が衰えてきちゃって、数がこなせません。
脳の老化防止のためにも頑張らなくっちゃと思っているんですけどね。

鉄人 | URL | 2017-08-07(Mon)19:39 [編集]